こんにちは!ハピラボ通信です。
毎日をなんとか回しながら、ふと「このままでいいのかな」と思う瞬間、ありませんか。
家事、育児、仕事——全部ちゃんとやっているつもりなのに、どこかモヤモヤする気持ちを抱えながら、どうすればいいか分からなくて、悩みをひとりで抱え込んでしまうという方は少なくありません。
30代•40代の女性が直面するキャリアの悩みは、 男性とは大きく違います。 仕事のことだけじゃない。 子育て、 夫婦関係、 介護、 旦那のマネジメント、そして「自分らしく生きたい」という気持ちーーそういったすべてが複雑に絡まって、 なかなか一人では答えが出せないのが現実です。
今回のハピラボ通信では、 キャリアコンサルタントとして多くの企業や個人と向き合ってきた戸本博和さんに、 女性のキャリアと家庭の悩みについてお話を伺いました。
この記事の目次
1. 女性のキャリアの悩みは、なぜこんなに複雑なのか

戸本さんが最初に語ってくれたのは、女性が直面するキャリアの悩みの「複雑さ」についてです。
背景にあるのは、日本社会に根強く残る「家庭は女性が守る」という構造。育児休業法や男女雇用機会均等法の改正によって制度的な環境は整いつつありますが、 実態として夫が育児に深く関わるかどうかは、また別の問題です。
「40代前後のお父さんたちって、自分の親が子育てに積極的でなかった姿を見て育ってきた世代なんです。要するにモデリング(手本となる姿)がない。だから、どう動けばいいか分からないという側面もある」と戸本さんは言います。
これは責任を追及するための話ではありません。お互いの育ってきた環境や時代背景を理解し合うことで、「じやあ、私たちはどうしていくか」を考えるスタート地点に立てるのです。
2. ロールモデルがいないーーそれは、あなただけじゃない
「課長をやってみないか」「チーフに昇進してほしい」と声をかけられたとき、なぜか素直に喜べない女性も多いのではないでしょうか。
その感覚には、ちゃんとした理由があります。
「仕事と育児を両立しながら管理職をこなしている女性の先輩ーーそんなロールモデルが、まだまだ少ないんです。手本がいないから、自分一人でもやもやしてしまう」
戸本さんによると、これは管理職に限らず「どんな働き方をすれば自分らしくいられるか」というよリ根本的なテーマでも同じことが起きています。親世代と自分たちの時代は大きく異なる。だから、親の生き方をそのまま参考にもできない。
「正解のない道を、自分で切り拓いていかなければならない」という孤独感ー一それが、現代の 30 • 40代女性のリアルな姿です。
でも、だからこそ「自分を知ること」がとても大切になってきます。
3. まず「ママ」じゃなく「自分」を知ることから始める

戸本さんのキャリア相談でよく使われる言葉があります。
「ママ(妻)である前に、あなたはどういう人?」
これは一見シンプルな問いに見えて、実はとても奥が深い。
キャリアコンサルティングの現場では、職業選択の前に「自分自身の価値観や軸」を明確にすることが基本とされています。でも、多くの女性がこのステップを飛ばして「何の仕事が向いているか」を探そうとしてしまう。
戸本さんが実際に経験したケースを紹介してくれました。
【事例①:臨床検査技師・30歳(独身)】
医学部を卒業し臨床検査技師として病院勤務をしていた女性が、心身ともに疲弊してキャリア相談に来ました。ProfileXT(適性診断ツール)を使って自己分析を行ったところ、ある特徴が見えてきました。
『エネルギーのスコアがとても低かった。つまり、静かに黙々と自分の仕事をこなすことが本来の強みなんです。ところが病院という組織の中では、院長からあれをやれ、これをやれという指示が次々と来る。それで心と体が壊れてしまっていた』
根本的な原因が見えてくると、次のステップも見えてきます。その後、彼女は「対面不要のオンライン中心の仕事」を軸に転職活動を進め、東京の転職会社と完全オンラインで面談を重ねながら、自分に合う新しいキャリアに向かって動き始めました。
【事例②:バリキャリ・34歳(2児の母)】
2歳と3歳の子どもを育てながら、バリバリのキャリアを積んできた34歳の女性。「将来やりたいことはある。でも本当に自分に向いているのかが分からない」という悩みを抱えてProfileXTを受けました。
『彼女の場合は、自分が目指したいことと自分の特性がびったり合っていることが数値として見えた。それだけで、すっきりした顔になって帰っていきました』
自己分析の結果は、必ずしも「方向転換」を促すものではありません。「今のまま進んでいい」という確信を与えてくれることもある。それだけで、次の一歩が大きく変わります。
4. 悩みの「連鎖」を断ち切るために

戸本さんが相談を聞く中で見えてきた、特に女性のキャリアの中で特に、❝働くお母さんたち❞の「負の連鎖」があります。
自分のことが分からないまま就職➔仕事が合わず苦しい➔子どもの体調不良で休む➔職場で肩身が狭い➔家に仕事を持ち帰る➔家庭でも余裕がない
この連鎖の入口にあるのは、「自分のことをよく知らないまま社会に出てしまった」という部分です。
「今は人手不足で、企業側もとにかく人を採用しようとする。でも、その人の本質と仕事内容がミスマッチだと、入ってみたら違った、ということが起きてしまう。それがさらに家庭のストレスと重なって、どんどんしんどくなる」
だからこそ、❝仕事探しの前に、自分探し❞が大切なのです。
5. 今、子育て中で動けない女性へ。今できることは?
「子どもが小学生になったら働きたい」「もう少し落ち着いたらキャリアを考えたい」一ーそう思っている女性に、戸本さんはこうアドバイスします。
『まずは、AIを使いこなせるようにしておくこと』だそうです。
少し意外に感じるかもしれませんが、その理由として、戸本さんはこのように言います。
『20年前、エクセルが使える人と使えない人では大きな差が生まれました。今のAIはそれと同じ。触ってみなければ分からないし、触れば必ず使える。家にいながらでもできる準備です』
実際に戸本さんが付き合いのある会社では、AIを活用することで残業が大幅に減ったという話も聞かれています。文章を書く、情報を整理する、スケジュールを管理する一一日常的な作業にAIを組み合わせるだけで、仕事の効率は大きく変わります。
また、AIを学べるオンラインコミュニティや勉強会に参加することも、今すぐ始められる一歩。外に出なくても、育児の合間でも、自分のペースで学べる環境は今確実に広がっています。
6. キャリアの悩みに「正解」はない。でも「自分の軸」は見つけられる
インタビューを通じて戸本さんが一貫して伝えていたのは、「キャリアに一つの正解はない」ということです。
でも同時に、「自分が大切にしていること(価値観・軸)を知ることで、自分なりのロードマップは描ける」とも語ってくれました。
モチベーショングラフで自分の人生を振り返り、過去のポジティブ・ネガティブな体験が今の自分にどうつながっているかを見つめ直す。アセスメントで自分の特性を客観的に把握する。そこに今の生活環境(子どもが何歳か、何時まで動けるか)を重ね合わせて、現実的な選択肢を探していく。
「完璧なキャリアを目指すよりも、今の自分に合ったキャリアを選ぶ。それが、長く自分らしく働き続けるための近道です」
戸本さんのこの言葉は、背中を押してくれる一言でした。

7. まとめ:自分を知ることが、すべての出発点
この記事で戸本さんが伝えてくれたことを整理すると、次のようになります。
①女性のキャリアの悩みは、家庭・子育て・夫婦関係が絡み合う複雑なもの。それは当然のことで、あなただけではない。
②ロールモデルがいない時代だからこそ、「自分の価値観と軸」を知ることが何より大切。
③転職や就職を考える前に、まず「自分はどんな人間か」を客観的に把握することが、ミスマッチを防ぎ、長く働き続ける力になる。
④今すぐ社会に出られなくても、AIを学ぶなど「今できる準備」は必ずある。
戸本さんの周りにも、キャリアの悩みを強みに変えたロールモデルとなる女性が多くいらっしゃるのでご相談者に合わせてご紹介もされているそうです。
最後に:キャリアに悩んでいるあなたへ
「自分のことがよく分からない」「この先どうしたらいいか迷っている」そんな気持ちがあるなら、ぜひ一度、専門家への相談を検討してみてください。
今回監修いただいた戸本博和さんは、キャリアコンサルタントとして個人・企業への支援を行っています。自己分析ツール(ProfileXT)を活用したキャリア開発サポートは、今の自分に合った働き方を見つけるための大きな助けになります。
次回のハピラボ通信もお楽しみに!ではでは。

【この記事の監修者】
キャリアコンサルタント
PXTSelect日本認定者
HRラ―二ング
代表
戸本博和

